ローヤルゼリーとは?ハチミツとの違いや成分・選び方をまとめて解説

ローヤルゼリーは、さまざまな健康食品の中でも知名度の高い食品です。薬局や通販番組などで名前を見聞きしたことがある方も多いでしょう。
しかし、「何となく体に良さそう」「すごいものらしい」というイメージはあっても、具体的な効果や正しい選び方がわからないという方は少なくありません。

そこで、今回は「ローヤルゼリーとは何なのか」という説明から健康や美容への効果、選ぶ際の注意点までをご紹介します。

1.女王蜂のためだけに与えられるローヤルゼリーとは

ローヤルゼリーとは、女王蜂だけが食べられる特別食のことです。生後6~12日の若い働き蜂が食べたハチミツや花粉が、乳白色でクリーム状のローヤルゼリーとして排出されます。良質な成分をバランス良く含むローヤルゼリーは女王蜂だけが食べる特別食であることから「王乳」とも呼ばれています。

では、なぜ女王蜂はハチミツではなく、ローヤルゼリーを食べるのでしょうか。
まずは、ローヤルゼリーが作られる理由やハチミツとの違いを解説します。

1-1.ローヤルゼリーは何のために作られるの?

女王蜂は、王台という特別な部屋で孵化した、蜜蜂の社会で特別な存在です。次世代に向けて大量に卵を産むためには、たくさんのエネルギーが必要となります。女王蜂のエネルギー源となるものが、働き蜂から作り出されるローヤルゼリーです。

働き蜂の幼虫はハチミツや花粉を食べますが、女王蜂の幼虫はローヤルゼリーを食べて育ちます。ローヤルゼリーのみを摂取した女王蜂は、食事の栄養成分の違いから、働き蜂の2倍もある体格となります。また、働き蜂の寿命は約30日ですが、女王蜂の寿命は3~5年です。女王蜂は、産卵期に2,000個以上の卵を産んでも、寿命が尽きるまで若さを失うことはありません。

女王蜂がすくすくと育ち、若さを保ち続けられるのは、ローヤルゼリーを食していることが理由だといえるでしょう。

1-2.ローヤルゼリーとハチミツの違い

「ハチミツの中でも高級な商品がローヤルゼリー」と、誤解している方は少なくありません。確かに、ローヤルゼリーとハチミツは、働き蜂から作り出される点では同じですが、成分や用途に違いがあります。

下記は、ローヤルゼリーとハチミツの違いを、5つの観点からまとめた表です。

○ローヤルゼリーの特徴
作り方 若い働き蜂がハチミツや花粉を材料に体内で合成して作る
生成されたローヤルゼリーは、下咽頭腺やあご腺から分泌される
見た目 乳白色でクリーム状
ぴりっとした強い酸味がある
成分 たんぱく質をメインに、必須アミノ酸9種類やその他のアミノ酸15種類、ビタミンなど、合計で40種類の栄養素が含まれている
用途 女王蜂の専用食。女王蜂はローヤルゼリーだけを食べ続け、産卵などに必要なエネルギーを補給する
○ハチミツの特徴
作り方 働き蜂が巣に集めた花の蜜を濃縮・熟成させることで作られる
見た目 花の種類に応じて薄い赤黄色から濃褐色となる
強い甘みがある
成分 糖分やビタミン、ミネラルを含む
用途 働き蜂と雄蜂の食料

2.ローヤルゼリーの成分は体に良いの?

ローヤルゼリーは、女王蜂にとって必要不可欠なものです。では、人間がローヤルゼリーを摂取することによって、どのような影響あるのでしょうか。
当項では、ローヤルゼリーに含まれる栄養素のうち、主な成分と特有成分をご紹介します。

○アミノ酸
人体を構成する細胞や酵素などを作り出す栄養素です。身体機能の維持・調整といった幅広い役割を担っています。近年、たんぱく質の研究が進み、ローヤルゼリーに含まれるたんぱく質が、女王蜂と働き蜂を分別する要因であることが分かってきました。たんぱく質は、複数のアミノ酸が結合した物質です。
ローヤルゼリーには、9種類の必須アミノ酸、その他の15種類のアミノ酸が含まれています。

ローヤルゼリーに含まれるアミノ酸
必須アミノ酸の種類 リジン・メチオニン・フェニールアラニン・バリン・ロイシン・スレオニン・イソロイシン・トリプトファン・ヒスチジン
その他のアミノ酸の種類 アルギニン・プロリン・γ-アミノ酸・セリン・グルタミン・グルタミン酸・チロシン・タウリン・β-アラニン・アラニン・シスチン・オキシプロリン・グリシン・アスパラギン酸・アスパラギン

○ビタミン
健全な成長と健康維持に役立つだけでなく、他の栄養素の機能を促進させる働きを持ちます。ローヤルゼリーは、ビタミンB群を中心に10種類のビタミン類や、アセチルコリンなどの有用な成分も豊富に含んでいます。ビタミンのほとんどは体内で合成できないため、食べ物からの補給が欠かせません。

ローヤルゼリーに含まれるビタミン
ビタミンの種類 ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸・イノシトール・ナイアシン・アセチルコリン・パントテン酸・ビオチン

○ミネラル
五大栄養素の一つで、神経の伝達や骨・歯の形成などに関わる栄養素です。
主要ミネラルと微量ミネラルのうち、8種類がローヤルゼリーに含まれています。

ローヤルゼリーに含まれるミネラル
主要ミネラル カルシウム・カリウム・マグネシウム・リン
微量ミネラル 亜鉛・鉄・銅・マンガン

2-1.ローヤルゼリーの特有成分

ローヤルゼリーは「R物質」という特有成分を豊富に含有します。R物質は、世界中の科学者によって研究されており、成分の働きなどが徐々に明らかとなっています。
ビオプテリンやアピシンは、R物質に含まれる成分です。ビオプテリンは、酵素の働きを助ける機能があり、脳や肝臓に存在しています。アピシンは、いまだに謎に包まれている部分が多いものの、健康維持効果や老化抑制効果が期待されています。

ローヤルゼリーは、特殊な遊離脂肪酸を多く含むことも特徴です。遊離脂肪酸を構成する主な成分が10-ヒドロキシンデセン酸であり、ローヤルゼリー酸という別名も持ちます。
蜜蜂のみが作り出せる10-ヒドロキシンデセン酸は、有用成分としての可能性に注目が集まっています。

3.ローヤルゼリーの正しい選び方

ローヤルゼリーの摂取方法は、健康食品により中から取り込む方法と、化粧品により外から取り込む方法の2種類があります。健康食品の場合、タブレットやカプセル、ドリンク、ゼリーなど、さまざまな形状で販売されています。自身のライフスタイルに合わせて、摂取しやすいタイプを選びましょう。

ローヤルゼリーを選ぶために重要なポイントは以下の2つです。

○(社)全国ローヤルゼリー公正取引協議会の公正マークが付いている

公正マークは、要件を満たした商品のみ貼ることができるマークです。公正マークが貼られたローヤルゼリーは一定以上の品質を保持する商品であることが、一般社団法人全国ローヤルゼリー公正取引協議会によって保証されています。

公正マークを取得するために必要な要件は下記です。

  • 協議会の会員(構成事業者)であること
  • 協議会が定めた厳格な品質規格を満たしていること
  • 商品に適切な表示を行っていること

まとめ

ローヤルゼリーは、女王蜂が育つための豊富な成分を含む特別食です。数千個にもおよぶ産卵を可能にし、生涯を終えるまで若さを維持させるエネルギーも持っています。そのため、ローヤルゼリーは女王蜂にとって欠かせない栄養源です。

健康的で若々しい日々を送りたい方は、ローヤルゼリーを毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。さまざまな栄養素をバランス良く含むため、食生活を見直したいときにぴったりです。ローヤルゼリーを選ぶ際は、公正マークを基準にしましょう。

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