正しいはちみつの選び方とは?自分に合ったものを選びましょう

美容や健康維持のためにはちみつを取り入れたいと考えている人の中には、選び方がわからないと悩む人も多いでしょう。

はちみつは産地における花の種類や、製造方法の違いによって、風味や香りなどの特徴が異なります。国産品と外国産で値段が変わることも珍しくありません。

今回は、失敗しないための正しいはちみつの選び方を解説します。自分に合ったはちみつを選びたい人は、参考にしてください。

1.はちみつはどのように作られているか

はちみつは、自然界の花蜜をミツバチが巣に集めたものと考える人も少なくありません。しかし正確には、ミツバチたちによって加工・貯蔵されたものをはちみつと呼びます。

はちみつの材料となる花蜜を運ぶ役割は、メスのミツバチが担っています。花から花へと飛びまわり、ストロー状の口吻(こうふん)で蜜を採取したあと、蜜胃(みつい)と呼ばれる体内器官に保管しながら巣に持ち帰ります。

持ち帰った花蜜は、待機していたミツバチたちによって丹念に加工される流れです。

膜状に引き延ばされた花蜜は、蜂たちの羽ばたきによって水分が飛ばされて、粘り気のあるはちみつに変化します。

2.はちみつ選びのポイント

はちみつには種類が多く存在し、それぞれ特徴も異なります。また、製造コストによって値段が変わることも珍しくありません。

目的や用途に合ったはちみつを選ぶためには、しっかりと知識を得たうえで、さまざまな角度から品質をチェックすることが大切です。

ここでは、正しいはちみつの選び方について解説します。

2-1.産地

はちみつは蜜源の違い、つまり花の種類によって香りや風味がそれぞれ異なります。
市販されているはちみつは、大きく分けて国産品と外国産に分けることが可能です。国内において、はちみつ生産量の多い都道府県と生産量を表にまとめました。

区分 生産量(t)
1 長野県 344.7
2 北海道 284.1
3 秋田県 217.4
4 熊本県 191.9
5 青森県 160.4

出典:農林水産省生産局畜産部「養蜂をめぐる情勢」

以前は北海道が生産量トップの地域でしたが、現在は長野県に変わりました。
また、世界のさまざまな国と地域においても、養蜂は盛んに行われています。日本国内に流通している輸入はちみつの主な産地は、以下のとおりです。

国名 輸入全体量に
占める割合
中国 71%
アルゼンチン 11%
カナダ 6%
ルーマニア 2%
その他(各国) 10%

出典:農林水産省生産局畜産部「養蜂をめぐる情勢」

輸入量の大半を占める中国産はちみつは、アカシアはちみつ・レンゲはちみつが主流となります。特にアカシアはちみつは、上品でさっぱりとした甘さが特徴です。

他にも、海外産のはちみつは国産品にない独特の個性を持つはちみつがあります。クローバーの蜜から作られたカナダ産はちみつは、豊かな花の香りが特徴で、世界中の人々から愛されています。

また、マヌカ花から採取され、高い殺菌力で人気を博した「マヌカハニー」は、厳しい品質基準をクリアしている人気のはちみつです。

2-2.メーカー

はちみつ専門店から健康食品メーカーまで、はちみつ製品を扱うメーカーは、国内だけでも150社以上存在します。はちみつを選ぶ際には、パッケージのラベルで製造者名まできちんとチェックすることが大切です。

国内においては全国はちみつ公正取引協議会による品質基準が設けられており、特に信頼がおける製品は、養蜂園や養蜂場などの記載があるはちみつです。また、人工甘味料・添加物(保存料)の有無を確認することで一層の安心感が得られるでしょう。

2-3.種類

はちみつは、大きく分けると以下の3種類に分けることができます。

●純粋はちみつ
天然成分100%の「純粋はちみつ」は、水分含有量23%以下、果糖・ぶどう糖の含有量が合計で60g/100g以上など、厳しい品質基準を満たしていることが特徴です。
ただし、中国産の一部などに見られる驚くほど安価な純粋はちみつは、成分に加工がされている可能性もあります。

●加糖はちみつ
販売コストを抑えるために、水あめ・果糖・ショ糖(砂糖)などを足した加工品が「加糖はちみつ」です。成分が水増しされているため、純粋はちみつと比較して栄養価が劣ります。
手軽な値段で甘い香りや風味が楽しめる一方、はちみつ本来の殺菌作用や栄養効果は期待できません。

●精製はちみつ
はちみつに含まれるタンパク質やビタミン・ミネラル類を特殊な膜により除去した「精製はちみつ」は、はちみつ独特の色や香りがありません。

精製と聞いて高品質をイメージする人もいますが、実際には精製過程において栄養素を失ってしまうため、調味料としての用途が主となります。

2-4.製造方法

はちみつを巣から採取する方法は、遠心分離機の使用が一般的です。作業の際には、粘り気のあるはちみつを効率よく取り出すために、事前に保温室で温めて使用することもあります。気温が低いと粘り気が強く、取り出し難いためです。

製造工程においても同様で、異物除去のため微細なフィルターに通すため瓶詰作業を容易にするといった理由から、低温で加熱することもあります。

はちみつの栄養素は熱に弱いため、温度管理には細心の注意を払いながら製造しています。

2-5.見た目

見た目の透明度や結晶の有無からも、はちみつの品質を見分けることが可能です。自然なはちみつは少なからず花粉などが混じるため、濁った色合いをしています。透明度が強いはちみつは、加工品の可能性もあるでしょう。但し、花粉の含有量が少ないアカシアはちみつ等は透明度も高いです。

主成分であるぶどう糖は、気温が15~16℃以下になると結晶化する特徴をもっています。
白濁したり、結晶化したりしているはちみつは、ブドウ糖の含有量が多く、果糖の含有量が多いはちみつは結晶化しにくいです。

2-6.コストパフォーマンス

はちみつは製品によって花の種類や内容量が異なるため、グラム当たりの単価を算出してから、価格比較をすると良いでしょう。採取時に手間のかかる純粋はちみつは、加工量産品と比べて高価な傾向にあります。

純粋はちみつ(国産品)は、1キロ当たり平均5,000?6,000円が相場です。ただし、生産規模や花の品種によって変動することもあります。

3.用途別の選び方

スーパーフードと呼ばれるはちみつは、健康食品としての目的以外にも、甘味料として料理に使用したり、贈りものにも適していたりします。

はちみつを選ぶときは、どういった用途で購入するのか、その部分も考えて選びましょう。

ここでは、用途別におけるはちみつの選び方を解説します。

3-1.加熱して利用する場合

はちみつは、過度に加熱すると成分中の酵素が破壊されてしまいます。良質なビタミン・アミノ酸・ミネラルなどをもれなく摂取するためには、長時間、熱を加えずに食べることが一番です。
ただ、はちみつの利点は栄養面以外にもあります。白砂糖と比較して、高糖度で低カロリーなはちみつは、料理の調味料としても使用可能です。

スイーツの甘味料として、また煮物料理の艶出しや隠し味として使用する場合は、国産や純粋はちみつなど高級品にこだわる必要もありません。そういった使用方法の場合は、手軽な値段で購入できるはちみつをおすすめします。

3-2.贈りものとして購入する場合

自然食品派の人や、美容や健康面を気遣う人への贈りものにもはちみつは最適です。

贈りものとしてはちみつを購入する際には、金属スプーンなどを用いらずに済む手軽で便利なワンタッチの「ボトルタイプ」を選びましょう。

数種類の味わいが楽しめる定番の「はちみつギフトセット」、ローヤルゼリーやプロポリスを合わせて贈ることも、大変喜ばれます。

まとめ

ここまで、失敗しないための正しいはちみつの選び方に関して、見るべきポイントや用途別の選び方を解説しました。

花の種類によって風味や味、また価格もことなるので自分の好みと予算に合う製品を選ぶことがポイントです。種類が多く迷ってしまう場合は、養蜂園や養蜂場が販売するはちみつから選びましょう。
この記事を参考にして、 正しいはちみつの選び方を身につけてください。

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