ミツバチの種類とはちみつの関係について

2024/08/07

ミツバチの種類とはちみつの関係について

ミツバチの種類によってはちみつの味は違う?といった質問は多くあります。そこで今回の記事では、世界のミツバチの種類とはちみつの生産における関連性について探っていきます。西洋ミツバチと東洋ミツバチ(ニホンミツバチ)のはちみつの違いや特徴に焦点を当てて解説しますので参考にしてください。

世界のミツバチの種類

はちみつを生産して貯蔵し、蜜ろうから巣を作る能力を持つミツバチは、世界で多くの種類が確認されています。ただし、確認できているこれらのミツバチの種類には、さらに多くの亜種が含まれるため、専門家であってもその全種は把握しきれていないのが現状と言われています。世界のミツバチの種類を大きな枠で考えたとき、日本には以下の2種類が存在していますので、それぞれの特徴をみていきます。

1-1. 西洋ミツバチ(ヨーロピアンミツバチ)

世界で最も広範囲で分布していると言われるミツバチの種類が西洋ミツバチです。世界で最初に家畜化された虫としても知られています。歴史的に見ても、約1万年前にアフリカで養蜂が始まっていたということがわかっているほか、約4,500年前のエジプト美術や中国、マヤなどでその証拠が見つかっています。
このように古くから人間によって養蜂されてきたことから、ミツバチの中でも飼育しやすい種類として生き残ってきたのでしょう。性格がおとなしく、管理された巣箱にしっかり戻ってくるという性質も生き残ってこられた一因と言えます。西洋ミツバチは「西洋」という名前がついていることから、ヨーロッパのみに生息すると考えられがちですが、実は現在南極を除く世界の全大陸に広範囲にわたって生息しています。そのため、亜種も多いです。

1-2. 東洋ミツバチ

東洋ミツバチは主にアジアに生息するミツバチの種類で、ニホンミツバチもこの東洋ミツバチの亜種です。東洋ミツバチは、西洋ミツバチと比べて体が小さく、毛も少ないですが、黄色の縞は目立ちます。小さい分すばやく飛ぶことができます。
ただし、はちみつの収穫量が非常に少ないことや巣箱を設置しても群れで逃げ出してしまう傾向が高いことから養蜂が難しいのがデメリットと言えます。そのような中でもニホンミツバチは、天敵であるオオスズメバチの奇襲に集団で抵抗することが知られています。西洋ミツバチは外来種であるため、オオスズメバチを前にすると為す術なしということを考えれば、多少なりとも種の存続を目指して一丸となって防御できる力があるニホンミツバチはたくましいと言えるのではないでしょうか。
ほかにも、アメリカ腐蛆病やヘギイタダニといったミツバチの病気や寄生虫に対しても、西洋ミツバチと比べてニホンミツバチは強いと言われています。

ミツバチの種類によってはちみつに違いはある?

それでは、西洋ミツバチやニホンミツバチなど、ミツバチの種類によってはちみつに違いが出るのでしょうか?ミツバチの種類が違うからというよりは、集める蜜源が違うからという理由で、西洋ミツバチとニホンミツバチでははちみつに違いがあると言えます。

2-1. 西洋ミツバチのはちみつの特徴

西洋ミツバチは、古くから家畜化されてきた歴史があり、季節にかかわらずその時咲いている花を蜜源とする特徴があります。その結果、同じ花の蜜を集めてくる傾向が高くなります。
また、群れのサイズも大きいことから、多くのはちみつを採集できるというのも特徴です。そのため、世界の多くの国では西洋ミツバチから採集したはちみつが主流となっています。

2-2. ニホンミツバチのはちみつの特徴

一方ニホンミツバチは、家畜化が難しい種類であると言われるように、自由に好きなところから蜜を集めるという特性があり、花の種類もバラバラになりがちです。「百花蜜」として知られるはちみつも、このようなニホンミツバチの習性を生かしたバラエティに富んだ蜜源から作られています。年に1度しか採蜜しないことに加え、西洋ミツバチと比べると1度に採集できるはちみつの量が4分の1~5分の1と言われています。
また、日本国内で流通しているはちみつは、西洋ミツバチによる採集と輸入はちみつが圧倒的多数となるため、ニホンミツバチから採集されたはちみつは数%にも満たない希少な存在です。こうしたことから、西洋ミツバチと比べると結果的に価格が高くなってしまいます。

ミツバチの種類によって異なるはちみつの味わいを楽しみましょう

このように、日本で生息するミツバチの種類は西洋ミツバチとニホンミツバチの2種類しかありませんが、それぞれはちみつに特徴があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。武州養蜂園では、ミツバチの種類を生かしたはちみつを多数取りそろえています。
ぜひそれぞれのはちみつの味わいを比べてみませんか?