黒ゴマは、料理やお菓子作りに広く使われる食品です。しかし、黒ゴマの栄養成分や、黒ゴマと白ゴマ・金ゴマの違いを把握している方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、黒ゴマの特徴や含まれる栄養成分、黒ゴマのおいしい食べ方、おすすめの料理・スイーツのレシピを詳しく紹介します。注意点を踏まえて黒ゴマの適切な保存方法も説明するため、黒ゴマの日持ちが気になる方も必見です。
健康や美容にうれしい栄養成分を含む黒ゴマを、毎日の食卓にぜひ取り入れましょう。
黒ゴマは、種皮が黒色のゴマのことです。外見上の特徴から、料理の見た目のアクセントや飾りとして相性抜群であるため、広く利用されています。
赤飯やおはぎなど、黒ゴマの見た目を活かしたい場合は、品質の良いものを選びましょう。粒のサイズが揃っていて皮の色が濃く、皮にツヤがある黒ゴマがおすすめです。
ゴマは炒ることによって調理前よりも香りが増しますが、黒ゴマはゴマの中でも特に香りが高く、香辛料としても世界中で使用されています。また、黒ゴマにはさまざまな栄養成分が豊富に含まれていることから、積極的に食生活に取り入れる方も少なくありません。
黒ゴマに含まれる栄養成分のうち、最も大きな割合を占めている栄養素は「脂質」です。
黒ゴマの約50%を占める脂質には、ヒトの体内で合成できない「リノール酸」「オレイン酸」といった良質な必須脂肪酸が多く含まれています。パルチミン酸やステアリン酸、ビタミンE類も豊富です。
また、黒ゴマはタンパク質と炭水化物がそれぞれ20%程度の割合を占めており、炭水化物の約半分は食物繊維です。
鉄分やカルシウムなどのミネラル、アントシアニンなどのポリフェノールも黒ゴマに含まれています。その中でも、ゴマ特有の栄養素であるセサミンやセサミノールなどのゴマリグナンは注目の栄養成分です。
さまざまな種類の栄養素が豊富に含まれている黒ゴマを、いつもの食事にぜひ取り入れてみましょう。
ゴマには黒ゴマ以外にも種類があり、それぞれ主な産地や特徴が異なります。
ここでは、「黒ゴマ」「白ゴマ」「金ゴマ」という種類ごとに特徴を紹介します。
■黒ゴマ
黒ゴマは中国やミャンマーを中心とする東南アジアでの生産量が多く、日本では主に鹿児島県や沖縄県といった温かい地域で生産されています。
アントシアニンというポリフェノールを多く含む黒い皮が特徴的で、料理の外見上のアクセントとしても人気です。香りも高く皮が固めであるため、すりゴマにして食べることもあります。
■白ゴマ
白ゴマは、東南アジアをはじめ、北アフリカや中南米など世界各地で作られている種類のゴマです。日本では主に鹿児島県で栽培されており、国産の白ゴマは海外産の白ゴマより香りが高いと言われています。
ほかの種類のゴマよりも粒が大きい傾向があり、脂質の割合が高いため、ゴマ油の原料として使用される場合もあります。
■金ゴマ
金ゴマはトルコを中心とした地中海沿岸部で栽培量が多いゴマです。日本国内では、ゴマの主な生産地として知られる鹿児島県のほか、茨城県や京都府でも栽培されています。
金ゴマは白ゴマよりも脂質の割合が高く、風味や旨味が濃厚であることが特徴です。希少価値も高いため、ほかの種類のゴマと比べて価格が高い傾向にあります。
黒ゴマは香りや風味が良好で、栄養素も豊富に含まれているため、料理やお菓子作りに積極的に取り入れたい食材です。
ここからは、黒ゴマをおいしく食べられる料理やデザートのおすすめ人気レシピを4つ紹介します。黒ゴマの香りや旨味、栄養を活かした料理作り・お菓子作りにぜひ挑戦してみましょう。
軽く炒って擦った黒ゴマを、炊きたてのご飯に混ぜ込むだけで手軽にできる「黒ゴマご飯」です。
シンプルながら黒ゴマの本来の風味をしっかり感じられる定番の一品であり、おにぎりにしてもおいしく食べられます。
■材料(4人分)
(A)
■作り方
衣とソースに黒ゴマをふんだんに使用したインパクトのあるとんかつです。
一風変わった見た目ですが、豚肉の旨味と黒ゴマの香りやコク、サクサク食感が楽しめるワンランク上のごちそうです。練りゴマを使用すると簡単に作れますが、家に練りゴマがない場合は黒ゴマとゴマ油で練りゴマの代わりとなる手作りゴマペーストが作れます。
■材料(4人分)
(A)
(B)
※黒ゴマとゴマ油から練りゴマを作る場合
黒ゴマ100gを軽く炒ってからすり鉢で擦り、ゴマ油大さじ1とよく混ぜ合わせ、ペースト状にする。残りは、消毒した瓶容器などで保存する。
■作り方
小豆の素朴な甘さに、黒ゴマの栄養と芳醇な香りをプラスした味わい深いぜんざいです。
甘みのある食べ物で心も体も一休みしたいときや、冷える体を温めたいときにぴったりの満足度の高い和スイーツとなっています。
■材料(4人分)
(A)
■作り方
ゴマ団子は、もちもちとした食感と香ばしいゴマの、相性の良いハーモニーを楽しめるおやつです。
簡単に作れるため、親子でのクッキングとしても楽しめるでしょう。ゴマをたっぷりとまぶし、黒ゴマの風味をぜひ堪能してください。
■材料(4人分)
(A)
(B)
■作り方
黒ゴマの特徴的な香りや旨味を長持ちさせるためには、適切に保管することが重要です。
加工状態や表示の内容にもよりますが、市販の製品を開封する前は常温保存でも構いません。
開封後は、空気に触れて黒ゴマが酸化しないよう、密封処理した上で冷暗所に保存することが基本です。
密封した容器で保管した場合でも、製造日や賞味期限にかかわらず、開封後約1か月を目安に使い切るようにしましょう。すりゴマの場合は、通常の擦っていない製品よりも劣化しやすいため、早めに食べ切るよう管理してください。
黒ゴマは冷蔵保存・冷凍保存も可能です。冷暗所に保存する場合と同様に、可能な限り空気を抜いて密閉しましょう。ただし、冷蔵保存の場合、油分が固まってしまう恐れがあります。温めると元通りになりますが、作業に手間をかけたくない方は冷暗所での保存をおすすめします。
冷凍保存の場合は、劣化の原因である霜が発生しないよう、密閉時に空気や水分を入れないことが重要です。冷凍保存すると、冷暗所や冷蔵庫よりも黒ゴマの風味を長く保つことができますが、それでもできる限り早めに使い切りましょう。加熱料理に使う場合は解凍せずにそのまま調理に使えます。加熱しない場合は自然解凍や流水解凍がおすすめです。
黒ゴマは、ポリフェノールの豊富な黒色の皮や、芳醇な香り・濃厚な旨味を持ち、さまざまな栄養成分を含んでいることが特徴です。さまざまな料理やお菓子に黒ゴマを取り入れて、いつもとは違う食事はおやつを楽しみましょう。
黒ゴマは空気になるべく触れないよう、密閉容器に入れて冷暗所で保存すると、風味を長持ちさせることができます。保存の仕方に注意しながら、黒ゴマのおいしさを暮らしの中で楽しみましょう。