しょうが(生姜)は、食材や調味料として多くの人が活用する野菜のひとつです。身近な存在であるものの、しょうがの種類・栄養成分・保存方法を詳しく知っている人はあまり多くありません。しょうがは想像以上に奥が深い野菜です。
今回は、しょうがの種類から栄養成分、おすすめの調理方法、おいしさを損なわない保存方法までを紹介します。しょうがが持つ魅力を最大限発揮するために、ぜひ当記事を参考にしてください。
しょうがは、ショウガ科に属する多年草であり、世界中で香辛料や調味料として親しまれている植物です。食欲増進作用や殺菌作用を持つことから、民間伝承として扱っている国もあります。
しょうがは広範囲に分布しているため、原産地は未だに解明されていません。
国内消費量の半分は輸入されていますが、日本国内でも盛んに栽培されています。
しょうがは、収穫時期や出荷時期によっていくつかの種類に分かれ、それぞれ風味・食感・用途が異なります。
ここからは、日本で一般的に流通しているしょうがの種類を紹介します。
新しょうがは、しょうがの根の部分が育ったばかりの頃に収穫・出荷されたものです。
6月~8月末頃にしか新しょうがを手に入れることはできません。
一般的なしょうがよりも、繊維質が柔らかく水分を豊富に含んでおり、辛みや風味がマイルドであることが特徴です。みずみずしくシャキシャキとした食感と風味を楽しむために、生で食べることがおすすめです。
茶色くて固い一般的なしょうがが、ひねしょうがです。収穫後のしょうがを一定期間貯蔵したあとに出荷したものを、ひねしょうがと呼びます。
新しょうがよりも繊維質が多く、風味や辛みも強いことが特徴です。
貯蔵性が高いため年間を通して流通しており、料理の薬味や香辛料として多方面で活用されています。
親しょうがとは、しょうがを栽培する際の種として使用したしょうがのことです。
種として使用した親しょうがも子株と一緒に食べることができます。
子株に栄養を吸い取られているため、親しょうがはかなり固く辛みが強いことが特徴です。
クセが強いことから生食には不向きですが、煮物や煮付けなどの煮込み料理に使用すると繊維質が柔らかくなり、おいしく食べられます。
しょうがは、健康面においてさまざまな効果・効能を持つ栄養成分も含んでいます。
しょうがに期待できる効果・効能には以下が挙げられます。
このような効果・効能を持つ理由は、「ジンゲロール」と「ショウガオール」というしょうが特有の成分にあります。
■ジンゲロール
ジンゲロールは、生のしょうがに多く含まれている成分で、殺菌作用を持つことが特徴です。生魚などの消臭や食中毒予防としても活用されています。
■ショウガオール
ショウガオールは、めぐりを改善してポカポカとした温もりを与える成分です。
内部から温めることができるため、活性力アップや日々の予防にも効果があります。
豊かな風味や香りを持つしょうがは、さまざま料理に活用されています。
しょうがの用途は幅広く、万能食材・万能調味料と例えられることもあるほどです。
ここからは、しょうがの特徴を活かしたおすすめのレシピを2つ紹介します。
ぜひ普段の献立に加えてみてください。
しょうが焼きは、しょうがを活用した料理の代表格です。しょうがの風味と香りがお肉に絡むことで、おいしさも食欲も引き立たせてくれます。
白ご飯との相性も抜群であるため、昼食や夕食のおかずとしても人気のメニューです。
■材料(4人分)
(A)
■作り方
しょうが焼きは用意する材料がそれほど多くなく、手早くおいしいおかずを作れることが魅力です。上記の材料は家族4人を想定しているため、人数に合わせて調整してください。
しょうがはすりおろして香辛料や調味料として使用することが一般的ですが、しょうがを材料に「みりん」を作ることもできます。
しょうがみりんは、日本料理を中心にどのようなジャンルにも合うため、ぜひ作ってみましょう。
■材料
■作り方
しょうがみりんは、みりんの甘みとしょうがの爽やかな刺激・風味が豊かな万能調味料です。さまざまな料理に使用すれば、いつもの食事のおいしさを引き立たせてくれるでしょう。
しょうがはさまざまな機能性を持つ野菜ですが、保存方法を間違えるとすぐに傷んでしまうというデリケートな一面も持ちます。しょうがの鮮度や風味を損なわず、おいしい状態を長持ちさせるためには、しょうがの適切な保存方法を知っておくことが重要です。
最後に、ひねしょうが・新しょうがの保存方法を、冷蔵保存と冷凍保存に分けて紹介します。
■ひねしょうがの保存方法
1.しょうがを水洗いして、清潔な保存容器に入れて水を注ぎます。
2.蓋を閉じて冷蔵庫の冷蔵室に保存して、2~3日を目安に水を入れ替えます。
しょうがの乾燥を防ぐことができるため、水をこまめに入れ替えれば、1か月ほど保存することができます。
1.しょうがを水洗いして、千切りやすりおろしなど使いやすい状態に加工します。
2.一度に使う量に小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れます。
3.冷凍庫で保存します。
しょうがはそのまま冷凍できるため、すぐに使える状態で保存したい場合は冷凍保存が便利です。冷凍したしょうがを使用する際は、解凍せずにそのまま調理に使用しましょう。
■新しょうがの保存方法
1.乾燥を防ぐために、新しょうがをキッチンペーパーなどに包んでポリ袋に入れます。
2.冷蔵庫の野菜室に入れて保管します。
新しょうがは水分が豊富であるため、水分が飛ばないように注意して冷蔵保存すれば、10日ほど保存することができます。
1.新しょうがを水洗いしたあと、スライスや千切りなど、使いやすい形に加工します。
2.小分けにしてバットなどに乗せて一度凍らせます。
3.さらに小分けにラップをして、冷凍用保存袋に入れて保存します。
新しょうがもひねしょうがと同じく、冷凍保存することによって1か月ほど保存することができます。ただし、冷凍すると鮮度や風味が損なわれやすいため、早めに使ってしまいましょう。
しょうがは、種類によって適切な保存方法が違います。しょうがの種類や使い方に応じて、適切な方法で保存しましょう。
独特の風味や香りを持つしょうがは、食材としても調味料としても普段の食生活に欠かせない存在です。しょうがは「新しょうが」「ひねしょうが」「親しょうが」の3種類に分けられます。それぞれ特徴が異なるため、料理に応じて使い分けるとよいでしょう。
また、しょうがは適切に保存すれば、風味や香りを長く味わうことができます。基本的には冷蔵もしくは冷凍のいずれかの方法で保存しましょう。
しょうがは、健康にうれしい栄養素も豊富に含んでいます。今回紹介したレシピを参考に、普段の食生活にしょうがを取り入れてみましょう。